はじめに
こんにちは。
前回は、MCP機能とBrave SearchAPIを接続して、Claudeを活用してインターネット検索をするためのセットアップ方法についてご紹介しました。
今日は、Anthropic社が開発した「ClaudeAI」の新機能としてリリースされた、「Model Context Protocol(MCP)」機能を使って、Claudeがローカルファイルの操作を自動でできるようにするセットアップ方法についてご紹介します。
Claude MCPとは
Claude MCPは、最近Claudeに搭載された機能です。AIモデル「Claude」とアプリケーションを連携させ、ユーザーが日常的に行う操作をAIに代行させることができるようになるという、とても画期的な機能といえます。これにより、次のような操作が簡単に実現できます。
- デスクトップPC内のファイル操作:ファイルの作成、名前変更、編集、削除が可能。
- Web検索:Brave Searchを使用した効率的な検索。
- データ処理:ファイルの検索やExcelファイルの作成。
この機能を活用することで、デスクトップ上の操作がよりスムーズになり、作業効率を大幅に向上させることができます。
Claude MCPのセットアップ方法
MCPを利用するには、いくつかの前提条件を満たし、セットアップを行う必要があります。これは少し難しいですが、まずは以下に、具体的な手順をまとめておりますので、トライしてみたい方はぜひご参考にしてください。
なお、今回は「BraveSearch」を使って、Claude経由でインターネット接続できる方法を試していきます。
MCPのセットアップ
Claude MCPを利用するには、以下の準備が必要です。
Node.jsのインストール
MCPサーバーを構築するためにNode.jsが必要です。Windows、Macbookのいずれの場合も出やり方はWeb検索で調べると出てきますので、Node.jsのインストールを進めてください。
Windowsの場合
1. Node.js公式サイトにアクセス
Node.jsの公式サイト(https://nodejs.org/)にアクセスします。
2. インストーラーをダウンロード
「LTS(長期サポート版)」をクリックしてインストーラーをダウンロードします。最新機能を試したい場合は「Current」を選択します。
3. インストールを実行
- ダウンロードしたインストーラー(
.msi
ファイル)をダブルクリックします。 - セットアップウィザードに従い、デフォルト設定で進めます。
- ライセンス規約に同意する。
- インストール先のフォルダを指定する(特に変更の必要はありません)。
- チェックボックス「Automatically install the necessary tools」にチェックを入れる。
4. 動作確認
インストールが完了したら、コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力してインストールが成功したか確認します。
node -v
npm -v
それぞれNode.jsとnpm(Node.jsのパッケージ管理ツール)のバージョンが表示されれば成功です。
4. 動作確認
インストールが完了したら、コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力してインストールが成功したか確認します。
node -v
npm -v
Claudeのデスクトップアプリをインストールする
Claudeのデスクトップアプリのインストールをまだ実行していない方は、以下のサイトにアクセスし、インストールを進めてください。
MCPfilesystemサーバーをインストールする
次に、MCPサーバーをインストールします。Windowsの場合はコマンドプロンプト、Macの場合はターミナルを開いて、以下のコードを入力し、Enterボタンを押します。
npm install -g @modelcontextprotocol/server-filesystem
インストールは、すぐに完了します。
Brave Searchへアクセスするときは「@modelcontextprotocol/server-brave-search」をインストールしましたが、今回は末尾がfilesystemになっているのがわかります。
MCP設定ファイルを更新する
MCPのカスタマイズには、設定ファイルを編集する必要があります。以下の手順に従って設定を変更してください。
設定ファイルを開く
ファイルエクスプローラーを開き、ファイルパス欄に%APPDATA%Claude
を入力して、対象のフォルダに移動し、設定ファイルclaude_desktop_config.json
を作成し、以下の内容を追加します。
もしくは、Claudeデスクトップアプリを開いて、画面左上の三本線マークをクリック、File→Settingをクリックして進んでいくと、Claudeデスクトップアプリの設定画面が表示されます。
この左側の「Developer」タブをクリックして、
画面右側に表示される「Edit Config」ボタンをクリックします。
そうすると、先ほどファイルエクスプローラーでファイルパスに「%APPDATA%Claude
」と指定してアクセスしたファイルと同じファイルにアクセスすることができます。
※YOUR_USERNAME
はご自身のユーザー名に置き換えてください。
configファイルををエディタなどで開き、以下のコードを入力します。
※エディタがない場合でも、メモ帳での編集でも問題ありませんが、操作性や視認性等の観点から、間違い防止のためエディタでの編集を推奨いたします。無料で使える「Visual Code Studio」等もおすすめです。
ClaudeMCPが使える状態か確認する
ここまで設定後、Claude Desktopを再起動してください。
チャット入力欄の右下にトンカチのマークが表示されていれば、MCPが無事使える状態になっています。
この状態でClaudeに「claude_desktop_config.json」に書いたファイルパス (“C:Usersあなたのユーザー名見せたいフォルダ”) をコピーアンドペーストして、「あなたはこのファイルを見れますか?」という質問をしてみます。
うまくいくと、Claude側から、アクセス許可を求めるメッセージが表示されるので、問題なければ、そのままアクセスを許可します。
MCPサーバのfilesystemへのアクセスを許可する
次に、MCPサーバのfilesystemへのアクセスを許可する設定を行います。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "node",
"args": [
"C:\\Users\\[ユーザー名]\\AppData\\Roaming\\npm\\node_modules\\@modelcontextprotocol\\server-filesystem\\dist\\index.js",
"C:\\"
]
}
}
}
なお、事前にファイルシステムと接続するための設定をしている場合、コードは以下のようになります。
※YOUR_API_KEYはご自身のAPIキーに置き換えてください。
なお、事前にbrave searchと接続するための設定をしている場合、コードは以下のようになります。
※YOUR_API_KEYはご自身のAPIキーに置き換えてください。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "C:\Program Files\nodejs\node.exe",
"args": [
"C:\Users\YOUR_USER_NAME\AppData\Roaming\npm\node_modules\@modelcontextprotocol\server-filesystem",
"C:\Users\YOUR_USER_NAME\Desktop"
]
},
"brave-search": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-brave-search"
],
"env": {
"BRAVE_API_KEY": "YOUR_API_KEY"
}
}
}
}
※YOURAPIKEYはご自身のAPIキーに置き換えてください。
これで、設定は完了です。設定を適用するため、一度、Claudeデスクトップアプリは、画面左上の三本線マークをクリック後、→File→Settingに進んで、Quitをクリックし、閉じておきます。
Claude MCPとfilesystemを使ってローカルのフォルダやファイルの操作をしてみよう
それでは、再度Claudeデスクトップアプリを起動し、ClaudeMCPとfilesystemを使って、ファイル操作をしてみましょう。
今回はデモンストレーション用に、特定の場所に、トヨタが公開している決算資料を格納しています。
新しいチャット画面に、このファイルを格納しているフォルダのファイルパスをコピーアンドペーストします。なお、ファイルパスは、ファイルのエクスプローラーを開いたときに、ここに表示される文字列をクリックしてコピーすると、クリップボードにコピーすることができます。次にペーストをしたら、クリップボードにコピーされた文字列が貼り付けられます。
そうすると、filesystemとの接続許可を求めるメッセージが表示されます。
「Deny」以外を選択すれば、許可することができます。
例えば、このチャットの中で、「このファイルを活用して3期分析をして」等と質問すると、3期分の財務諸表を活用して分析レポートを自動作成してくれます。
このように、ファイルの読み込みや検索をしてくれるだけではなく、ファイルを作成したり、そのファイルを読み込んで新たに絵rポートを作成する、といったことも自動でできるようになります。
知れば知るほど、便利に活用できそうなツールですね。
是非皆さんも、トライしてみてください。
下記の動画でも解説しています!
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